「所有・雰囲気・振動ー森のはずれ」

 所有・雰囲気・振動、いずれも不可視であり感じるという曖昧かつ精神的な領域である。
 この言葉の選択、この言葉に行きついたこと自体、虚を突かれた思いがする。

 名づけさえしなければ、存在の有無さえ不明なものである。あくまで主観であり、(わたくしの領域)である。この感覚を質量を伴った見えるものに置き換えるという難題。I think so.
 自由で拘束のない発想であるが、選択は困難である。彩色はモノクロ、材質は紙・木・金属、引っかいたり重ねたり…景色はそれぞれだが、よく見ると、物や形にはや発言力があり鑑賞者を誘引する接点がある。どこまでもあるがままの自然ではなく自身の主張である。

 この地上に立った時の感覚、存在感は自身と周囲(世界)との景色の接点にあり、自身の五感による答えが「所有・雰囲気・振動」そして「森のはずれ」という自身の拠点を俯瞰したものなのかもしれない。


 写真は『若林奮ーVALLEYS』横須賀美術館