「所有・雰囲気・振動ー森のはずれ」のための模型 No.8

 森のはずれの模型をいくつも作っている。どれも似ているようで全く異なるものであるが、共通点はどれも直角・直方体であり、隙間(亀裂)や石や細い線状の羅列があるなど、変異の障害があることである。

「所有・雰囲気・振動」の主は作家自身である。地上に立つ人の体感である。四角、直方体であること、それは自然界にはない形状であり、自身の経験上の情報の積み重ね(学習された知覚)である。
 通常それは形を成さないものであるが、そのとらえどころのない雰囲気、振動、受動する自身の感覚を物質に置換するという試みであって、風景の実写ではない。

 作家自身と世界、個が所有する時空への答えを究明している。答えは一つではないが、《内と外》を手触りあるものに置き換えている。


 写真は『若林奮ーVALLEYS』横須賀美術館