『所有・雰囲気・振動ー草の侵略及び持ち物についてⅠ~Ⅴ』

 所有・雰囲気・振動・・・これは存在に対しての非存在(空気・空間)の戦ぎ、不可視の把握である。
 見えないものの質的変換。仮定した空気感を既存のデータから引き出し疑似的なものに置換する。暗転・・・軽いものを重量を持たせて固定する。誰も見たことのない景色である。

 東西南北、春夏秋冬、時間のこちらで規則性、見えない(不可視)ものには人智が感知した、人智が所有とみなした雰囲気や体感の振動がある。
 建物や山・川・海の変則は大気圏から俯瞰すれば並べて平らであるが、あえて近づき空間の凹凸の手触りを感知する作業は脳、あるいは心的感受によるもので、本来個々の景色があるはずのものであるが、作家は自身の答えを探求している。

 大きな俯瞰から小さな地表面への近視眼的観察。大地(地表)は生物があふれている。視点をうつせばあちらこちらで芽吹いてさえいて、草の徒長は見えない領域(空気・空間)を侵略していることに気づく。
 あらゆる存在は、地球の持ち物であるという見解だろうか。持ち物は空間を侵略しているという主張である。


 写真は『若林奮ーVALLEYS』横須賀美術館