ガラス瓶と人参、ガラス瓶と人参の合体が遥かな山並みを見下ろした山頂の台の上に置かれている。自然界に接してはいるが、その最上部であり、世界を席巻している位置である。

『説明』、なんの説明か。
 ガラス瓶は人智の成した生活用品であり、人参は生きるのに必要な糧である。その二つが一つに合成されている。2+1だろうか、この3体が一つとなっている・・・。
 ガラス瓶は無機であり、人参は有機である。決して融合しない形、奇跡の形。

 絶対にあり得ないことを、有る《存在する》と提示し宣言している。
 有るのかもしれない、有るというからには有るのだという確信。しかし、それは触れることのできない幻想にすぎないが、幻想そのものが存在しているという律は生きる糧になる。

 触れることのできない秘密は、神々しく神の領域である。この3体の構図を肯定するか否かは精神の領域に問わねばならない。
 この『説明』は神秘を解くカギである。


 写真は『マグリット』展・図録より