
『大家族』
曇天の空(混沌)にはばたく鳥、くちばしの形からして鳩を想起させる。
はとを放ったが、はとは足の裏をとどめるところが見つからなかったので、箱舟のノアのもとに帰ってきた。水がまだ全地のおもてにあったからである。(略)それから七日待って再びはとを箱舟から放った。はとは夕方になって彼のもとに帰ってきた。見ると、そのくちばしには、オリブの若葉があった。ノアは地から水がひいたのを知った。さらに七日待ってまた、はとを放ったところ、もはや彼のもとには帰ってこなかった。(『創世記』第八章より)
紙はノアとその子らとを祝福して彼らに言われた「生めよ、ふえよ、地に満ちよ。(『創世記』第九章より)
この《はと》ではないか。
鳩のシルエットの中に見える大空は、創作のなかの大空(時空)であるが、ここから『大家族』という社会が誕生したのである。
話の是非ではなく、この成り行きの要約を一枚の絵に封じ込め提示していおり、大家族の発端である。
写真は『マグリット』展・図録より