
再開、再び開く世界・・・開く、誕生(死)の連鎖。
巣の中の卵の暗示は、言うまでもなく再生を意味し、高台付きの植木鉢が重ねたイメージの展開はある意味理想郷である。一本の独立した樹、遮るもののない穏やかな明媚、悠然と時空を所有している。
植木鉢の中では人間が力を尽くした配慮が実を結ぶ時空を展開させている。あくまで人間の叡智の明らかに原始的である晶たる成果としての時空である。高台付き植木鉢の高台は人間が捧げ持つという優位を感じるのに対し、鳥の卵のほうは明らかに原始的である。
変わりゆくものと、変わらないものとの対比でもある。
不変と普遍。鳥の卵の永続、連鎖の生命。人間の手の加わった世界、しかし決して変わることのない樹の本質が大地を制している。沈黙の存在の神秘、それが生きるものの主張であり幾重にも重ねられていく世界への『再開』である。
写真は『マグリット』展・図録より