
『模範例』
オレンジの背景はベタであり時空を超越している。
男(紳士)の立ち姿は、気持ち傘に傾いているが、上向きの眼差しであり安定した生活者という風情である。
困窮の危惧のない暮らし、平和であり、欠けた要素を見いだせない。衣食住というが、着衣とカバンを見れば相応の生活は垣間見れる。
これら要素が『模範例』なのだろうか。
着地の床(地面)が描かれてない、浮いているのか飛んでいるのか、しかるべき立地点の欠如は、非常に不安定である。
彼は傘を所有しているが、この傘を遮ると重心が定かでなくなる。つまり、傘は彼にとって非常に重要なツールであることが判明する。傘なしには立っていられない・・・傘は《雨》を象徴する。雨は水であり、水惑星である地球の要である。
着衣は階層を示すが、寒暖の防備でもある。つまり空気、気温に対する構えである。
水と気温(風)、地球人である彼は、太陽によって循環する水(三態)と気流、つまりは《存在》を思考する知識人である。
『模範例』、見習うべき一例である。
写真は『マグリット』展・図録より