雨傘のシャフトは多少太いし、持ち手はさらに太い造りである。しかし、この傘が何によって支えられているかは定かでなく、いわば宙に浮いている。
 
 全体、微妙に策が施されている。
 生地のゆるみは地球の凸凹だろうか、シャフトの手元の太さは地球に住む生物の集合であり、この持ち手に支えられている地球でもある。持ち手が揺らげば、地球そのものが揺らぐという関係性である。
 コップの水は水惑星である地球の命の糧であり、億年の巡廻、変わらぬ量を暗示している。コップ(ガラス)は見えないものとしてのツールであり、形を留めないものの一つの概念である。

 全体のバランスはコップの水ばかりでなく熟慮された均衡に思える。
 雨傘(地球)とコップの水(三態)の関係は、生物(人間を含む)を生かし、生かされる絶妙さを持っている。この関係は人間の裁量にかかっており、鍵は持ち手である人間の精神にある。


 写真は『マグリット』展・図録より