
過去でも未来でもなく、現実の感覚だといっている。遥かなる山川、雲、天頂には二十六日の月が南中している。
二十六日の月と巨岩石。
二十六日の月は夜中の一時か三時ころに出て朝方、白く輝いているのを見る。要するにこれは朝方の景色である。
おおぞらの上の水(雲)と、おおぞらの下の水(川(海)があり、二つの大きな光を造った。即ち、太陽と月である。地(大地)には…獣、人、草木らしきものが見える。
現実ではあるが、『天地創造』を彷彿とさせる。主なる神はとこしえの岩であるという。
現実の光景であるが、巨岩石の浮上は在り得ない。
世界は神の創造だという教えがある。しかし、物理的根拠を持つ真実と人の叡智がもたらした伝説との狭間に《現実》があり、信仰は手の届かない遥か上で鎮座している。本当にそんなものがあるのだろうかという懐疑は、その大きさと恐れのために否定できない。
積み重ねられたデータの検証、わたし達は虚偽の狭間を生きている。偽こそ真実であるかもしれない。
写真は『マグリット』展・図録より