『赤いモデル』

 赤といえば、共産主義を指しているのだろうか。
 土の上の素足が革靴へと変移している。バックは石の塀、即ち遮断である。
 きれいな指先は、石ころのある土の上には不似合いである。受け入れがたい労働の強制。どんな分野の人も一様に労働するという平等は理想ではある。しかし、ここには大きな矛盾があり、混迷と悲痛な叫びとが隠ぺいされているのではないか。

 石の塀に囲まれた社会、広い世界への展望は制限され、究極、ここしか見えない世界に拘束される不自由。

『赤いモデル』は複雑な共産社会の構造を単純化してみせた仮説である、と思う。


 写真は『マグリット』展・図録より