青空と夜景は決して結びつかず、矛盾というより亀裂である。全く異なる時空の並置、これは自然に対抗、逆らう構図かも知れない。
 立派な建物、明かりを所有するという人智、人びとは満たされている。文明の力である。

 しかし、帝国社会での自由はいかほどのものか…精神の照度を測ったら自然に比して仄明るいという程度の闇ではないかという査定である。本当の自由(自然)は保証されていないが、静かに沈黙を通しているという情景に見える。個人の思惑ではなく、社会全体を客観的に見た景色に違いない。帝国社会を批判するでもなく反旗を翻すというのでもない。従順に肯定し、その勢力下の恩恵に暮らしを続行させている。ただひとたび何か(戦争)があれば、従軍にならざるを得ない律と立場の上での暮らしである。

『光の帝国』の夜は平穏である。夜が明ければ、精神の闇(夜)の圧が重くのしかかるかもしれない。光の帝国は自然(自由)を冒涜する横柄さを所有する翳りがあるが、ここに反撃はなく、沈黙による精神の冷静さが昼と夜の光景を時空を超えて並置させている。即ちこれは告発を潜ませている。


 写真は『マグリット』展・図録より