『光の帝国』

 天空は光に満ちた青空と白い雲の景。しかし地上は闇のなかにあり、人口の灯りがぽつんと点いているた夜景である。
 この矛盾、落差、不条理、時間の不適合。

 空はあるがままの自然であり、普遍の真理である。
 しかし、地上は人の思惑で形成され、支配と服従、成長の歴史の中に佇んでいる。秘かに計画される国の戦略はすべての人民の合意ではなく人々は沈黙するのみである。戦争と平和の狭間で人々は翻弄されてきた政治という支配に沈思黙考、身の処し方の選択を迫られている。

 大自然との競合は自然の理である。当然、そう肯き理解しているが、内実はどうだろう。真逆とまではいかないかも知れない、しかし、明らかに遊離しているのではないか。
 夜と昼が同じ時間に在ることは、物理的には絶対に有り得ない。しかし、その精神において、わたし達は奇妙なずれを認識せざるを得ない時代に来ているのではないか。


 写真は『マグリット』展・図録より