
『即自的イメージ』
木製のテーブルの上に高台付きの皿があり、ガラスのカバーの中にはチーズが描かれた絵が入っている、背景は時代を特定しないベタである。
これら条件を満たす答え・・・絵に描かれたチーズをカバーする必要はない、しかも高台付きの皿に掲げるのも愚である。
木製のテーブルと見えるものは床板かも知れない、としたらこの高台付きの皿並びにガラスカバーの中のチーズの描かれた絵は巨大に変化する。鑑賞者はチーズケーキの常識的な大きさを知っているから、それを基準に他の大きさを特定する傾向があり、それを決定とするからイメージは動かない。
しかし、時空は二つを潜在させており、ここに決定はない。
対峙する二つの時空は視点の位置により動いてしまう。未決定である。作家の意図は不明確に隠蔽されている。
状況は安定しているが、内実は対峙する二つの時空が内在する決定を拒む時空として描かれている。
これをもって『即自的イメージ』という不安定かつ未開の状況への答えを導き出している。
写真は『マグリット』展・図録より