
この画は、こういう時代がありましたという、人類発生からの総括であって、この画の時点はずっと遥か遠い未来にあると考えられる。
時代を特定しないベタの背景は不気味なまでに震撼とさせる無言があり、モチーフ(主体)は地上に浮上している。つまり、重力のない世界、有機も無機も不思議に接続可能な態をなす不条理の横行がまかり通る時空である。
大地(土)は失われ、木の根として活躍した人々は廃墟と化した世界(社会)の下に膠着したままぶら下がっている。もちろん築かれた世界(社会)は上体(枝葉や木の実)の栄華を跡形もなく無に帰している。
大いなる未来に向けて、今在る世界は何も残さないのか。
おそらく、このような形で記念碑的な一枚として、何かしらは語り継がれる可能性もなくは無いと、マグリットはつぶやく。
写真は『マグリット展』図録より