
『選集』
何が選ばれているのだろう。
リンゴ、葉、馬・・・黄金のリンゴ、月桂樹、ペガサスの馬…神話の総括。
空の彩雲、地上の岩(石)。
空想の世界、精神界のオンパレード。人の考えだした世界であるけれど、現実(現世)には決して存在しないような時空である。
第一、リンゴから馬は生えないし、巨大なリンゴもない。馬が極小なのかリンゴが巨大なのか、通念を打破する構築は奇怪である。
不条理、代々語り継がれてきた神話に対するオマージュだろうか、ここにこそ深淵なる真実があるのだと・・・。まことしやかな神話に入っていくときの心地よさ、願望の異世界は現実の手垢とは無縁の奇抜奇異の世界である。山の上、最も天上に近い場所にある記念碑的『選集』に違いない。
写真は『マグリット展』図録より