『占い』

 占いとは、運勢や吉凶を予言予想することである。今在る現実ではなく、以降の未来、以降の時空の成り行きを当てることである。

 何かを媒介にしてその兆候を探り当てる…その身体を通過する感覚・予感。
 作品は開口からの景色であり、肥大した鼻が鎮座する平地、海が見え船が見える砂浜のようである。砂地に生えるはずのない樹が、一葉の形をした樹(空気の平原)が一本あり、空は曇天。明らかに常軌を逸した奇妙な光景を『占い』と提示している。
 開口の柱の影と鼻の影の方向が異なるということは光源が二つあるということであり異なる時空が重なり合っているとも言える光景である。

 鼻は生き物(有機)のように見えるが、硬質な物体(無機)にも見え、単に感覚の象徴とも思える。その背後の樹は異次元を通知し、灰色の空模様は不穏である。水平線に比して砂地には緩やかな勾配があるので、鼻の未来は倒壊を免れない。

『占い』は、鼻(嗅覚)のオブジェとその背景(時空)に答えが控えている。


 写真は『マグリット』展・図録より