跫音が跫音を聞く寺の水仙

 奥深い山谷の寺である。雪が融け水仙が咲きだす早春、やっと人の訪ねてくる足音がする。あまりに深く静かな秘境の足音は谷に響いて跫音になって返ってくるようである。

 跫音はキョウ・オンと読んで、響、音。
 跫音はキョウ・オンと読んで、協力、隠。
 聞く寺はブン、ジと読んで、文、字。
 水仙はスイ・センと読んで、推、詮。
☆響く音、協(調子を合わせる)隠れた文。
 字を推しはかり、詮(明らかにする)。

 跫音はキョウ・オンと読んで、胸、隠。
 跫音はキョウ・オンと読んで、恐、怨。
 聞く寺はモン・ジと読んで、悶、自。
 水仙はスイ・センと読んで、衰、戦。
☆胸に隠した怖ろしい怨みに悶(もだえ苦しむ)。〈にもかかわらず〉
 自(ひとりでに)衰えていくことに戦(おののく)。