『人間の条件』

 室内からの窓外の景色を眺めた作品。違って居るのは窓外の景色にぴったり合致した描かれた景色が手前にあり、二重の構造になっていることである。
 もちろんそんな必要はないが、そこに「人間の条件」の所以があるらしい。

『人間の条件』とは何だろう。あるがまま、即、人間だと認識しているから、改めて問われると戸惑ってしまう。人間としての機能だろうか、否、もっと本質的な観点としての問題提議である。

 存在は、そこに見えるものを言うのだろうか。見えるものは更に見えていないものを隠す。たとえば今現在見えているものは、今少し前の時空を隠している。
 時間を遡れば、時空にはズレが生じるが、それを感じることはできない。できないが、データを取り、比較するということはできる。あるいは策謀を駆使してその差異を言及するという思考がある。

『人間の条件』とは、見えている現今をに疑惑を持ち、本質をどこまでも追究しようとする眼差しがあることである。


 写真は『マグリット』展・図録より