
『告知』
各種、マグリットの思いを具現化するものの寄せ集めである。この集合体が『告知』であるという。
岩石の小山が幾つもあり、それを眺め下すかのビルボケ二体。男女であることが推して図られる。大きいほう(男)が手前にあるように見えるが、やや小さいほう(女)が手前にも見える。
二体には大きさに差異があるが酷似しており、微妙な視覚のマジックがあるが、男女は同列であるという主張がある。
ビルボケ(人間)は大地にあり岩(わたしは岩であるといった神)や樹木の自然を俯瞰している。
しかし、その傍らには叡智を表す切り紙や噂・伝説・主張を暗示する馬の鈴がビルボケ(人間)よりさらに高く位置している。人間は自然の上に立っているが、馬の鈴(伝説・流言)に見下ろされている。馬の鈴、人間の想念から発したものは人間を大きく支え、また自然を隠蔽する障害になっている。空や雲(大いなる宇宙/真理)は馬の鈴(伝説・流言)により少なからず隠蔽されてしまっている。
『告知』、これは神からの告知ではなく。マグリットからの詩的告知であり、自己精神の構図である。
写真は『マグリット』展・図録より