
距離を置いてこの画を見ると、四分の一である白い部分だけが浮いて見える。ここに書かれた文字、この文字(言語)だけが意味とほぼ直結している。限定と換言してもいいかもしれない。
次の煉瓦に関してもやや、それに近い感はある。しかし素材や材質あるいは用途を問えばその意味の範囲は大きく広がるので、必ずしも各自が抱く本来の意味とは結び付かないかもしれない。
他の二つに関して言えばほとんどベタの彩色であり、空とも深淵とも限りなく意味を広げ概念としての意味も崩壊しかねない。つまり、ご自由に想像し、意味をご享受なさって結構です、と。
意味は対象に付随し本来抽象的であり、各自の観点には差異が生じているということである。おおむねの感想はこうである、こうに違いないという一般的な意見の集約が、そのものの意味として定着していく。
この画の四分割は巡回し、意味の決定から不明までを示唆している。
『本来の意味』とは否定と肯定の狭間を巡回する浮遊であり、判別の決定を拒否するものである。
写真は『マグリット』展・図録より