額縁(フレーム)があり、その脇に猟銃が立て掛けられて在る。この入口(門)を入るには猟銃(死)が必要である。向こうの世界(風景)はこちら(現世)からは見えず(漆黒)である。

 地獄か天国か・・・審判は、この小さなフレームに、死を持って入ることを許された者にのみ告げ知らされる。不思議な力で人の心を惑わす死に至る門である。この門をくぐれば風景(世界)は開くが、こちらからは決して見えない『風景の魅惑』がある。

 この狭き門、くぐれば二度とこちらへ帰ることの出来ない魅惑の門(フレーム)は、生きる者の前に常に立ちはだかっている。
 デュシャンは『風景の魅惑』に取りつかれてはいるが、ただ眺め、ただため息をつくばかり。魅惑は常に恐怖を孕んでいる。向こうに逝った人に会うには、この『風景の魅惑』を超えていかねばならない。


 写真は『マグリット』展・図録より