オサガメがいることで、エリアは海の中だとわかる、相の違い。
 現世では生息不能な相であるから、ここは物理的法則の通用しない場所であり、想像上の寓意(霊界)だと憶測する。

 女は死んでいるが生きている。着衣はないが、両手を挙げるエネルギーがあり、何かを求めている。
 手の平の形からオサガメに対する防御だろうか、拒否とも再生(蘇生)ともとれるが、それ以上ではない。諦念と執着の混濁、迷いを抱いている。
 地層の上、深い海の底。億年の地球の襞にやがて同化していくのだろうか。

 自由も解放もない時空に眠る女は、儚くも蘇生の夢を見ている。霊界における冒険は大胆な夢想にすぎない。、マグリットの極めて冷静な母への追慕である。


 写真は『マグリット展』図録より