一月の畳ひかりて鯉衰ふ

 一月の陽は低いから、部屋の中まで入って、畳を照らす。
 畳、すなわち和室であり、襖はつきものである。
 襖に描かれた鯉(昇り鯉)が、畳がひかることで(衰ふ)、影を薄くしてしまったというのである。
 存在、空気感、ゲシュタルトの心理学に見る一方を強くとらえれば他方は消えてしまうという論理である。ちなみに、(ひかる)であって(光る)ではない畳への照射である。