『各階に水とガス』
 ロベール・ルベル著「デュシャン伝」豪華版の表紙に取り付けられたエナメル板(15×20㎝)

 各階に水とガス、『与えられたとせよ:(1)落ちる水(2)照明用ガス』である。
 つまり太陽系の水惑星である地球には、初めから水とガスがあり、それゆえの生命である。
 等しく与えられた太陽の恩恵、光でありエネルギーとしてのガス、そして億年を巡回する水。
 宮沢賢治の作品に伏せた文字としてのショウ(照)があり、それは《あまねく光が当たる=平等》を暗示しているとは私的解釈であるが、デュシャンも同じ考えだと思う。

『各階に水とガス』並べて等しく与えられている必須の条件、水とガスによって生き、水とガスによって平等は証明されている。
『各階に水とガス』は《すべての人は平等である》というデュシャンのメッセージである。


 写真は『DUCHAMP』ジャニス・ミンク www.taschen.comより