『城』3404。Kが彼女の悩みをたずねるまでもなかった。彼女は、すぐに自分から話しだした。話をしているあいだも気散じが必要であるかのように、また、自分の悩みを打明けているときでも、すっかりそれにのめりこんでしまうことはできない、それは自分の力にあまることなのだからとでも言いたげに、Kのコーヒー・カップをじっと見つめていた。☆Kが彼女の不幸を尋ねるまでもなかった。彼女はすぐに語り始めた。Kのまなざしは馬鹿話を裁いた。話をそらせる必要があり、彼女の不幸(悲しみ)に対し懸命に進むことができなかった。