この画の持つ時空、三層の空間は意識空間、現在、過去、未来の不明な空間であり微妙に融合している。境目に曖昧さが残る。
任意(偶然の)線条は手前にあり、背後には自分の描いた絵を分割するかの横に均等に引かれた直線(必然/人為)がある。人為(情報の集積)は過去に押しやられ、偶然の線条が手前に配している。

 偶然こそが未来に結びつく要であるという主張が、世界(過去)の前にある。
 しかしこの分岐していく線条に打たれた○印は何だろう。距離(長さ)は等分に見える。等分の絶対的なものは太陽系における周期であり一年、あるいは一日という時空の巡回である。
 つまりこの偶然の中には必然があり、偶然から必然を除去することは絶対に不可能である。

『停止原基の綱目』は究極の混在、存在の原理ではないか。この条件からの解放、ここより先への脱出を希求するデュシャンの姿勢、見解を垣間見る。


 写真は『DUCHAMP』より www.taschen.com