
この『停止原基の綱目』はわたくし(デュシャン)の『停止原基の綱目』であって他には通用しないものである。つまり個々人の中に潜む停止原基の綱目の一例である。
わたくしのなかの細大を含む大要である。
基点も綱目もすべて任意の方向を示し、意思によって停止の点を打っている。綱目は精神の領域であり、自分が残した仕事(作品)は背後に残っている。その背後の闇は未知であり、未来とも過去ともつかない、あるいは過去・現在・未来と結びついている見えない不確定の領域である。
つまり起点(基点)は帰結点でもある。
『停止原基』とは、意図の制御が効かない宿命の上を生きていく自分が、意図して打つ停止の点であり、宿命に拮抗する自由な意思である。
証明不可の『停止原基の綱目』を、デュシャンは決定し認可した。捕らえようとして捉えられないものへの挑戦であり、選択である。
写真は『DUCHAMP』より www.taschen.com