花嫁、人生の転換点である。今日から、その瞬間からという意を含んでいる。
 新たな決意!

 作品には流れがある、どこへ流れていくのかという方向性までは分からないが、確かに始動を感じる。
 明確に描いているのに、複雑で関連が認められず意味が不明確である。換言すると、自由であり解放がある。束縛の不自由がないのである。

「わたしは花嫁です」とは言葉に出しにくく、周囲からの美称であるこの『花嫁』というタイトルをつけたのは、デュシャン自身の変革、内密の告白であり、芸術家としての立ち位置を画家ではなく真理を求める究明者(アーティスト)であることの表明だったのだと思う。

『花嫁』は新しい自分への秘密裏の祝賀、応援である。


 写真は『DUCHAMP』より www.taschen.com