こうし た観察で道草を食いながらも、Kは、たえずまた従僕のほうにもどっていった。彼が以前に従僕一般について聞いていたこと、毎日なにもしないで気らくな生活をし、尊大にかまえているというような話は、この従僕にはほんとうに当てはまらなかった。従僕たちのなかには、例外もあるらしかった。それとも、このほうがほんとうかもしれないが、従僕と言っても、さまざまな種類にわかれているらしかった。というのは、Kが気づいたところでは、いろんな仕事の区分があったからである。彼は、これまでは、そんな持場の違いがあろうなどということはほとんど夢にも考えていなかったのである。
☆観察の推移からすべて離れて、Kは常に幾たびも従者の方へ戻っていった。コレラのことは従者(死者)には全く当てはまらなかった。しかしながら一般に従者(死者)は無為であり、快適に生きていた。尊大だというのは、従者の中には多分別の人もおり、ここでは、いかにKがたくさんの区分を記しても見分ける改正はほとんどできないということだった。