
1-4-3『LIVRE OBJET後からの試作Ⅲ』
機密・・・落下のイメージ、数本の紐で吊るされ落下を防ぐ措置が取られているお椀状のものは何だろう。落下傘…原子爆弾の落下を想起させる。
核分裂による巨大なエネルギー…残留放射能による影響を考えると想像を絶するものがある。
この作品はそれを示唆しているのではないか、直接的な具体性はないが、傘状の円形の物体はつぼんだものが開くという構造である。
言葉を消し具体性を消しているが、どうしてもそれを想起させる隠れた創意を感じる。
決して完璧には隠し果せない、どこかにズレが生じるのではないかという危惧。
核保有国アメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国・・そしてインド、パキスタン、北朝鮮の恐怖…人間は人間の作った核の恐怖にどこまで怯え続けざるをえないのか。
原潜から端を発した問題提議、この胸に痛い振動の持続は大きなうねりとなって今日も止むことがない。
写真は『若林奮 飛葉と振動』展・図録より 神奈川県立近代美術館