
『1-2-3』犬から出る蒸気
犬から出る蒸気・・・エネルギーの発散、呼 吸だろうか。
犬(生命体)から発せられる蒸気の形ということである。液体(汗)からの蒸発あるいは個体(身体)からの昇華が気体になったもの…その見えない空気中の揺れ(振動)を質量に還元して見せたものである。(もちろん質的に還元不能であるが)
あくまで精神的解釈による具体化であり、物理的な計測はできない。推論としての計測は万人には受容しかねるかもしれないが、可能な限り《実感》に基づいたものとして見ることが前提条件である。
気泡の上にさらに気泡の層があるが、傍らにそれを引き落とす力が働いている。重力は均等にかかるから、バランスを崩す部分的な引力は犬(個)の所有する負荷かもしれない。
犬(生命体)から発せられる蒸気(消費エネルギー)は、かくも重く非情であるが、即ち、生きるとはこういうことである。
写真は『若林奮 飛葉と振動』展・図録より 神奈川県立近代美術館