
『振動尺試作Ⅳ~Ⅶ-あるいはスプリング蒐集改(2nd Stage)』
スプリングって何?・・・跳躍台、ばね?
台座はいつものように浮いている。
4種類の振動尺が並列している。酷似しているが、各々微妙に異なっている。この差異は何だろう。
角が丸みを帯びたもの、線状が幾本もあるもの、亀裂(分断)があるもの、ストレートだが多少距離の短いもの、どちらが前面だか説明がないが、それぞれ異なる表面処理がなされている。
振動尺・・・分かり難いが、時間を伴い、距離も必然的に関係する空間における現象である。
現象を測る、つまり目に見えない、認めることが困難な抽象的な仕事の具現化を、鑑賞者は何度も反芻しながら近づいていくしか術がない。
スプリングとは何を示唆しているのだろう。風などの外力による共振の形だろうか。
対象に対して目を開き、その時間と空間の質を確認する。(厳密には空気の中の原子は常に振動しているが)ミクロの目で見るということではなく、精神の目で測る試みである。不可視なものを触覚で確認するという仕事に対して、鑑賞者は否定的にならざるを得ないが、譲歩して見るという第一歩である。《見えないものを見る》という基本に副いたい。
写真は『若林奮ーVALLEYS』横須賀美術館より