「なあんだ、これでいゝのか。」ゴーシュはセロをまげて孔のところに手をあてて待ってゐましたら間もなくこどもねずみが出てきました。ゴーシュは、だまってそれをおろしてやりました。見るとすっかり目をつぶってぶるぶるふるへてゐました。
「どうだったの。いゝかい。気分は。」
こどものねずみはすこしもへんじもしないで、まだしばらく眼をつぶったまゝぶるぶるぶるぶるふるへてゐましたがにはかに起きあがって走り出した。
☆講(話)の趣(ねらい)は二つを換(入れ替えて)推し量る。
兼ねて黙っている基(もとになるもの)は文(文章)に現れる記が総てである。