
『9つの雄の鋳型』
鋳型というのは、溶けた金属を流し込む型であり、同型のものを数多く作るのに用いる基になる物のことである。
9つ、に意味はあるだろうか…9で想起されるのはかつて太陽系の惑星は9つであったことくらいである。(冥王星は外されたので現在は8つ)
数字において一桁の最後の数字…作品として描かれたものは確かに数えると9つあるが、任意の数かもしれない。
鋳型の本来の目的は型の内部にあるので、外部の様相は論外であるはず、にもかかわらず外観を提示している。
本来の意味目的を忘れてしまいそうな丁寧かつ異種異様な9つの態。
しかも《雄》であるという指定、生物は雌雄が無くては生産性を望むことはできない。鋳型とは大量の同型を生む基である。クローンは雄の遺伝子だけではできない。
『9つの雄の鋳型』とは、《存在の空洞》ではないか。
写真は(www.tauschen.com)より