
岩石はわたくし(マグリット)である。そのわたくしは樹に対峙し等しい関係を感じている。
自然への敬意・崇拝を抱いているが、屈することなく共に生きる同時代の朋友である。それは、地平線の真理における律である。
沈思黙考、岩のごとき無味乾燥な感触、砕け散るかもしれないが持続を維持するかもしれない。しかし語ることはない。
語らずして存在の意味を語る。一個の石は樹に等しく、総てに通じる世界をもっている。地平線、地球上における律は《すべてに等しい=平等》に他ならない。
背景の雲は〈水〉であり、影は〈光〉である。
太陽の恩恵を受ける水の惑星、地球に於ける上も下もない平等。これこそが『礼節の教え』の要である。
(写真は国立新美術館『マグリッㇳ』展/図録より)