
この6つのフレームは錯視を利用している。立体に違和感がありイメージを組み立てることができない。これが直方体でない所以かもしれない。
歪な形である必然性はどこにあるのだろう。
しかも昼の光景と漆黒(夜)の闇が前後に付着しているという具合・・・これは否定なのか、見えない闇である民衆の存在なのか。
宮殿、即ち国のトップが君臨する館である。それがなぜ歪んだ平板なまるでがらくたのような態を為しているのだろう。
天空と緑(自然)を我が物とし、馬の鈴(伝承、命令、声明など)をもって支配の権限を得ていると勘違いしている宮殿の滑稽は、地球という室内における幕(領域の仕切り)にすぎない。恒久なものではなく一つの歪な象徴である。
(写真は国立新美術館『マグリット』展/図録より)