『ジョルジェット』

 屋内に静かに佇んではいるが、常に水平線(真理)を見つめ、心穏やかである。
 二人の絆は卵のまま(子供がいないことだろうか)であるけれど、枝葉は青く息づいている。
 あなたは羽毛のように軽やかで優しく、いることに気づかないほど自然な空気を醸しだす。

 鍵・・・打明けていない秘密は、あなたとわたしの間にある《存在》という鍵であるけれど、いわく言い難い。むしろあなたが鍵を持っている、と言えるかもしれない。

 手紙・・・とりもなおさず、あなたへの感謝。

 ロウソクの灯り・・・わたしとあなたとを照らすささやかな蝋燭の灯り、しかし、これは消えることのない灯りであり、わたし達夫婦の絆に酷似する。

《愛してる》マグリットの妻への思いに溢れたラブレターのような作品である。


(写真は新国立美術館『マグリット』展/図録より)