
Ⅱ-3-1 近い緑Ⅱ
近い緑なんていう表現は…あるだろか。しかも緑色でもなく、素材は鉄であり鉄色である。
緑といえば植物を想起する、この場合、樹木のような立ち姿(?)を呈している。近い緑というより遠い緑という気がしなくもないが、タイトルは断定である。
緑との対峙、緑(緑葉)の供出する酸素は、動物(人間)にとって必須である。必要欠くべからざる酸素は、葉緑素の光合成における産物であり、生命維持の最も近い存在である。
生きることの近さの点では緑(植物群)は傑出している。
作品の上部は、確かに葉の揺らぎを感じる。作品を緑に塗ることは出来たに違いないが、そうしなかった理由は何だろう。茶色は葉(緑)の死ではないか。
「近い緑」とは「緑の墓標」のようである。
(写真は神奈川県立近代美術館〔若林奮『飛葉と振動』展・図録より〕