
道(視界)に立ち、道を見るときの感慨。
進もうとすれば道はどこまでも在る(造られる、出来る)、しかしそれはあくまで自然との競合である。
『VALLEYS』、それは自然の猛威・歴史によって形成された形態(溝)であれば、谷=山頂であり、地上の位相を見るものである。幾重にも積み重ねられた断層は、地球の呼吸としての痕跡であり、46億年の集積の一端が『VALLEYS』ということになる。
『VALLEYS』は《個》の私的空間であると同時に世界全体の集約を提示したものでもある。『VALLEYS』における両壁のざわつき(傷痕)は闘争の痕跡にも匹敵する寡黙な証言ではないか。
(写真は横須賀美術館(若林奮『VALLEYS』より)