「所有・雰囲気・振動ー森のはずれ」のための模型 no.5

 四方は遮蔽されている、が開かれてもいる。内部には石が置かれている。石は《原始》を象徴しているのかもしれない。(在るべくして在ったもの)
 森のはずれ、森のはずれの内部(森)は不明な領域として心的印象に留まざるを得ないが、惹きこまれる要因のある空間である。何故なら〈外れ〉を認めていること自体に森への関心が展かれて見えるからである。

 森のはずれという境界(へり)に突き当たる眼差しはヒューマン・スケールにおけるある程度の高さの隠ぺいを感じる。抜けるような天空は自分の立ち位置と森の内部にも等しい空間をつなげているはずで、その意味では森のはずれは見えない向こう側の森のはずれに貫通していると考えられる。

 森という自然な樹木(有機)を、金属(無機)に変換させる試みは世界を反転させたような硬直したイメージがある。鋭意な感覚というよりほかない。


(写真は横須賀美術館『若林奮VALLEYS』より)