『各階に水とガス』(1959年)

 新築のアパートの宣伝文句だったらしい。
 構造上の新機軸であるが、《水とガス》は生活の基本である。水は水として、ガスは気体一般、空気を暗示しているのではないか。(この宣伝では燃料用を指している)
『各階に水とガス』は、地球上どこでも水と空気(光)があり、同じ条件のもとで暮らしていることの暗喩を潜ませている。
 
 この宣伝フレーズを目にしたとき、デュシャンは《平等》を想起したのではないか。予め『与えられたとせよ』という生命の前提条件に思いを合致させたのだと思う。


(写真は『DUCHAMP』TASCHENより)