
『大家族』
①海原の上の大空を高く大きく飛ぶ鳥が暗澹としたいわく言い難い鈍い空に大きく羽を広げている。
②鳥は嘴の形状から《鳩》ではないか。
③海の手前はかなり大波(荒れている)であるが、陸地との接線は描かれていない。つまりさらにうねりを大きくしている可能性もある。
④鳥のシルエットは雲の散在する青空になっている。
以上がこの『大家族』における条件である。
はとを放ったが、はとは足の裏をとどめる所が見つからなかったので、箱舟のノアのもとに帰ってきた。(略)それから七日待って再びはとを箱舟から放った。はとは夕方になって彼のもとに帰ってきた。見ると、そのくちばしには、オリブの若葉があった。ノアは地から水が引いたのを知った。(略)第九章 神はノアとその子らを祝福して彼らに言われた、「生めよ、ふえよ、地にみちよ~」(『創世記』より)
この《はと》の具現ではないか。
はとのシルエットの中が大空であるのは、《偉大なる空想》という意を感じる。
(写真は国立新美術館『マグリット』展・図録より)