『観念』

 ①シャツにネクタイそして背広、ビジネスの一般的な着衣である。
 ②その上に青いリンゴが空に浮いた形で描かれ、とりもなおさず顔(頭部)をイメージさせている。
 ③背景はオレンジのベタ(多少揺らぎが見える)
 以上の条件をもって『観念』と名づけている。

 顔(頭部)に置かれたリンゴ、リンゴ=知恵の実という思い込み(洗脳)がないとは言えない。しかも青いのは未熟を暗示しているのかもしれない。
 着衣を見て生活上の仕事のレベルが想定できる。(限られた範囲の推測)
 オレンジのベタに揺らぎが見えるのは情念であり、紋切り型の思考への反感、疑惑ではないか。

『観念』、それは自分自身を拘束し、また消失させるものではないか。観念的な規律は生活を守るが、過ち(失敗)は新しい発見を導き、進化の道を開く。
 観念は、自身を周囲に同化させるが、観念からの解放には自由があり、『観念』の問いに対する答えが透けて見える。


(写真は国立新美術館『マグリット』展・図録より)