
『夜会服』
非夜会服・・・着衣を身につけていない裸の背中である。
水平線と青い空に浮かぶ三日月、水平線には飛沫が見える。
この条件をもって『夜会服』と結論付けている。
①服を身につけていない…夜会服ではない。
②三日月の南中は真昼には見えない。
③真昼に夜会服は不似合いである。
④波がないところに飛沫は上がらない。
矛盾(虚偽)だらけである。『夜会服』の正しい要素が全くない。『夜会服』の逆説…受け入れがたい条件、この不条理の羅列によってむしろ「真理」を想起させる作用が生じることは確かである。
懐疑(背理)による真相への反問。
ここには「肯定」はなく「否定」があるばかりであり、否定をいくら重ねても「肯定に転じることはない」ことの証明だと断定したい。
(写真は国立新美術館『マグリット』展・図録より)