
『田園』
二本の木がなびいているが、よく見ると全く同じ形態である。そして更に見ていくと、この木に見えるものは、木の根のようでもある。
背後を横切る幾つもの線状があり、地層の重なりのようである。その背後にある景色は、それこそ田園ではないか。転倒し、逆さになっている。
連続・転倒・地層…この絵が隠ぺいしている大地の変遷は田園の歴史、繰り返される輪廻、転生の時間である。
『田園』、人の手の加わらない田舎の静かにして大いなる地殻変動。
「地球は生きている」という秘かなる立証である。
(写真は国立新美術館『マグリット』展・図録より)
