
『光の帝国』
雲の散在する大空(昼の景)と林や水(湖・川・池)の辺に立つい家々(夜の景)の共存。
通常ではありえない心理的な情景である。
この作品におけるマグリットの真意はどこにあるのだろう。
どちらも、現実の景に他ならない。永遠と思われる自然の大気/光によって私たち人間は生かされている。
夜の景に見られる人間の進歩、帝国という国の規律の中に人びとの生活は守られ、かつ従順であることを約束させられている。
自然と人為の競合…自然(光)の恩恵に助けられると同時に、自然災害に苦慮した歴史は語るに足らない。人は過酷な状況に耐え忍びながらも、自然(光)の恩恵を崇め愛しんでいる。
夜の景に見られる光(人為)への驚嘆、《自然と人智》は共存の中に競合している。
どちらも強大な力を秘めており、大いなる糧と悲惨な罪を残している。わたしたちはこの景に生きている、生きねばならない。
(写真は『マグリット』東京美術より)