『城』2633。毎朝きまった時刻になると、戸口の取っ手に手をかけ、わたしたちのほうに別れの相図をおくります。夕方になるとー父は、日ましに腰がまがっていくようにおもわれましたー全身びしょ濡れになって帰ってきて、部屋の隅に身を投げだすのでした。☆決定された時間になると、把手に手をかけ別れの合図をおくります。終末(死)が近づくと、父(宿命)は日ましに考え深くなり溢れるほどに(涙で)濡れて戻り、隅の方に消えるのでした。