『いちご』は、新宮晋の絵本で可愛いイチゴの世界が展がるお話、とても素敵です。

 子供のころ読んだ絵本で好きだったのは、くちばしの長い鶴と短い小鳥がそれぞれの食事に招くのですが、鶴はコップの食器、小鳥はお皿の食器で双方が食べることが出来なかったというお話です。

 それから、『ダイコンさんとゴボウさん』のお話は、ゴボウさんが色黒を悲しんで体を洗うのですが、洗っても洗っても白くならず、ダイコンさんは痩せたい一心でやっぱり体をこするのですが…、というお話です。

 後述の二つの絵本は、絵本にしては悲しい結末ですが、なぜか心に残っています。
 その点『いちご』は、美しくってその世界の内実に引き込まれる豊かさがあります。

 大人になると絵本を見ることがなくなりますが、高齢になると、懐かしさから《もう一度あの世界に浸りたい》という思いに駆られます。