愛犬家は多く、家の前を散歩する人も多く見かける。
 Sさんも、子供のころから家に犬が居なかったことはなく、自身も犬好きらしい。
 隣家から啼き声にクレームをつけられ、毎日、実家に預けてから出勤したという。

「犬を飼っているとね、格安の旅行に行っても、犬を預けるホテル代の方が高いの。それにね、ちょっとした不具合が出ても保険がきかないから…相当な出費を覚悟しないと」とこぼした。

 先日など、S家の庭を見て「もう桃の花も終わりね」と言ったら、
「以前は花桃だけじゃなく、実の生る桃の木もあったのよ。犬が動かなくなっちゃって病院へ連れて行ったら、・・・お腹に桃の種があるって・・・切開して取ってもらったわ。その時も家の中の有り金みんな持って行ったの、22万円…でも、足りなかったの。」
「・・・。」

「それでも、犬がいないとだめなの」と、Sさんは笑った。

 以前、バスの中で「犬が死ぬまでに200万円かかりました」という話をしていたご婦人がいらした。犬ってお金持ちじゃないと買えないんだと…ビックリ、そして、ため息をついたことでした。