『フレッシュ・ウィドウ』

 新鮮、なり立て、元気…な未亡人(?)、この表現は珍しい。
 夫が死んだ瞬間、未亡人が誕生する、きわめて新しい呼称の展開である。
 ミニチュアの窓には黒のなめし皮が張られている、つまり窓ではあるけれど、内外が遮断されている景である。
 フレッシュ・ウィドウは、この窓のどちら側にいるのか、窓そのものが彼女自身なのだろうか。少なくとも一人の男が死んだという通告である。

 黒い遮蔽には、秘密の隠ぺいが隠れている。しかし、窓というのは開閉自由な行き来を許容する空間を有効にするものである。

 デュシャンは《わたしの中の男は死んだ、そしてわたしはピカピカの新鮮な未亡人(女)に変貌した》と言っているのではないか。(もちろん行き来は自由である。)


(写真は『DUCHAMP』TASCHENより)